2019.06.03

ミニマリストの元祖?

 こんにちはバウハウスの三品です。先週の季節外れの猛暑、ビックリしましたね。入梅もまだだというのにどうしたのでしょうか?我が家の軒先の日陰に吊るした寒暖計が35度を指しており、思わず2度三してしまいました。今年も長い暑い夏になりそうです。くれぐれも熱中症には気を付けましょう。
 さて、先日久しぶりに本を読みました。書名は「方丈の狐月 鴨長明伝」。鴨長明は昔、学校で習った記憶があり、方丈記の作者であることはなんとなく知っていましたが、どんな人でどんな人生を送ったのか、方丈の庵で暮らしたと言われるがどんな建物だったのか?建築屋としても興味深々で読んでみました。方丈記の方丈は晩年に暮らした住まいの大きさに由来することがわかりました。
 方丈とは、10尺(約3m)四方の大きさで、長明は50を過ぎてから、京の都から逃げるように山深い大原地に自分で考案したプレハブ式の庵(方丈の庵)を建て、終の棲家としました。手先が器用で凝り性で琵琶なども自作したようです。そこで書かれたのが「方丈記」です。もともと鴨長明は下鴨神社の神職の高貴な家に生まれましたが、思うような出世がかないませんでした。和歌や琵琶に耽溺しながらも幾度となく出世のチャンスをつぶして挫折。また、保元・平治の乱、大火災、大地震、大飢餓を経験し生き延びます。
 方丈記はそんな乱世の世でに人の一生のはかなさ、無常観がつづられています。そんな無常観を実際の生活でも実践したのが鴨長明です。使用人を大勢抱え、広大な屋敷で育った長明が何もかも捨て去り、たった9㎡(5畳ほど)の住まいで暮らしを送ったと言いますから、さしずめ、現代版、ミニマリストの先駆者というところでしょうか?
 物欲、名誉欲、出世欲など煩悩に悩まされている余人には一読の価値があります・・・。

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